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68報~陸前高田の薪、また使用中止 薪に残した表皮からセシウムが検出されたため [東京・国分寺市から~東日本大震災ルポ]

陸前高田で願い事や鎮魂の言葉が書かれた330本の薪は、表皮がすべて削り取られて、きれいに整形されたものでした。
いまや、関東にだって東海にだって放射性物質のホットスポットはあるのですから、倒木に表皮がついたままのものなら、放射性物質が検出されない保障はない。
でも、しっかりと表皮をそぎ落とし、きちんと製材したものなら、放射能の残留はありえません。
あの時の薪はそういうものでした。

事実、放射性物質は検出されなかったといいます。
しかしそれが京都から拒否されてしまった。
結局、陸前高田から一歩も外へ出ることなく、現地で迎え火として焚かれました。

その件での批判を受け、京都市長があらたに発注した500本。

なんでいまさらこんなことをするのか?
薪を取り寄せて燃やせばそれで済む問題じゃなく、五山送り火がきちんと追悼をするかどうかが大事なのじゃないの?
震災や津波で亡くなった人たちが帰ってくる初盆だというのに、この思慮に欠けたパフォ-マンスは何のため?

陸前高田のボランティアグル-プも、なんでこんな注文に応じるの?
それでいったい、薪をどういう状態で送るの?
まさか表皮付きのままじゃないでしょうね・・・。

まさかの心配が本当になってしまいました。
あらたに京都に送られた薪は、表皮がついたまま。丸太を薪として断ち割った状態のものでした。
その表皮から、微量のセシウムが検出されたといいます。
薪のセシウムについて、安全基準は定められていないそうです。

検出されたセシウムの量は問題とせず、「検出されたから」というのが、使用中止の唯一の理由だそうです。
京都の薪は計ったのかしら。敦賀原発からこの5月に放射能が漏れた疑いがあったばかりだけど。

京都市長、善意のつもりか厚意のつもりか同情のつもりか、政治ショ-のつもりか、はたまた保身のつもりかしらないが、本当に余計なことをしてくれた。
結果として、東北一円ならず関東一円、東海地方一円、多少なりとも放射能が確実に降り注いでいる東日本のものは、全部放射能にまみれていて使えない、食べられない、飲めない。
そういう風評に拍車をかける結果となっただけ。

まあ、京都だろうがどこだろうが、そう思うお方はそう思えばよろしい。
しかし私たちは、ここで生きて行くし、ここで暮らして行く。
東北や北関東や関東の野菜や肉や魚を、これまでも食べてきたし、これからも普通に食べていきますよ。
これまで、原発が何たるかを知らず、のうのうと生きていたことへの反省と後悔を胸に。
この時代に立ち会って行くしかない。

でも、私は金輪際、京野菜は食べないだろうな~~。

以下、新聞の転載。文章のみ。写真は新聞社のサイトを直接見てください。

---(以下、毎日新聞から転載)---------
http://mainichi.jp/select/science/news/20110812k0000e040090000c.html
(毎日新聞)五山送り火:陸前高田のまきからセシウム検出 使用中止

岩手県陸前高田市から京都市に届けられた後、放射性セシウムなどが検出されたまき=京都市で2011年8月11日午後3時5分、古屋敷尚子撮影 東日本大震災の津波で倒れた岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松から作ったまきを京都市の「五山送り火」(16日)で燃やす計画で、京都市は12日、まきの表皮から放射性セシウムが検出されたため計画を中止すると発表した。送り火の実施主体の五つの保存会は同日、市の決定に従うことを決めた。【古屋敷尚子、田辺佑介】

 当初、大文字保存会が単独で送り火で燃やす計画だったが、放射能汚染を懸念する声が京都市などに寄せられ、断念。すると、「風評被害を助長する」などの批判が市に殺到し、門川大作市長が別のまき約500本を取り寄せて燃やすことを五山すべての保存会に要請し、いずれも了承していた。

 京都市によると、松から切り出したまき(長さ約30センチ)の表皮から放射性セシウムが1キロ当たり1130ベクレル検出された。表皮を除いた幹の部分からは検出されなかった。野焼きの際の放射性物質に関する基準値はなく、市が専門家に問い合わせたところ、「国の基準がない以上、安全という見解は出せない」との回答だったという。

 今回のまき500本は11日に陸前高田市からトラックで運ばれ、京都市の検査会社「島津テクノリサーチ」に移送。12日午後、市に結果が報告された。500本すべてから表皮のかけら計1キロ分を集め、検査したという。

 門川市長は会見で、「陸前高田市をはじめ東日本大震災で被災した皆さんに心からおわび申し上げます」と陳謝。「放射性物質が検出されないとの前提が崩れたから中止する。被災地のまきが安全か否かを判断したのではない」と説明した。幹の部分だけを燃やすことは「議論していない」とした。

 まきは現在、京都市内の民間の倉庫に保管されているが、処分方法は決まっていない。門川市長は「送り返さず、京都で対処したい」と話した。

 ◇陸前高田市長「慎重にやってほしかった」
 岩手県陸前高田市の戸羽太市長は12日、「関係者の善意が結果的にこういうことになり、市民にも心配をかけている」と遺憾の意を示した。京都市に対しては、「風評被害を広げ、他の被災地にも京都市民にも迷惑がかかっている。もっと慎重にやっていただきたかった」と苦言を呈した。門川大作・京都市長から陸前高田市を訪ねる意向が示されたが、同市は「お気持ちだけで結構です」と答えたという。

 ◇専門家 測定数値は「問題ないレベル」
 測定結果の数値について、専門家は「問題となるようなレベルではない」と話す。国際放射線防護委員会の主委員会委員、丹羽太貫・京都大名誉教授(放射線生物学)は「仮に表皮を1キロ食べ、全て体に吸収されたとしても取るに足らない線量」と指摘した上で、「意味のないクリーンさを求めた今回の判断は被災地の方々の気持ちを踏みにじるものだ」と指摘する。

 また、安斎育郎・立命館大名誉教授(放射線防護学)は「五山の送り火は伝統的神事という性格を持つ。放射能がけがれのようにとらえられたのではないか。今回の件は科学の問題ではなく、文化の問題となっている。解決も文化的に行うべきで、犠牲者への追悼のセレモニーをやった方がいい」と提案する。【根本毅、須田桃子】

毎日新聞 2011年8月12日 16時14分(最終更新 8月12日 23時26分)
---(以上、転載)------

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