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▼国分寺崖線裾野の湧水を集めて流れる野川の最源流「真姿の池湧水群」の観測日誌 ▼ガイド・観察日誌・トピックス・インフォ→構成は「サイトマップ」「真姿の泉TODAY index」参照

62報~「電力は本当に不足しているのか?」という素朴な疑問 [東京・国分寺市から~東日本大震災ルポ]

6/18の海江田万里経済産業相の発言には唖然。
「シビアアクシデント(過酷事故)対策は適切に実施されている」として、運転停止中の原発を再稼動を促す発言。
福島第一原発事故に収束の目処すらたたないというのに、何を根拠の「安全宣言」なのか?
「安全だ!」と口に出すと安全になる。
まるで「言霊信仰(ことだましんこう)」です。
「呪文」で政治が動くのなら、日本の政治はもはやオカルトではないか。

菅首相一人が、「原発再稼動」には慎重な姿勢を見せているのだとか伝えられている一方で、海江田発言を了承したとも伝えられていて、いったいどっちなのかよくわかりませんが、菅首相は浜岡原発を止めると同時に、たしか、脱原発のエネルギー政策を打ち出すはずだったのですよね。電力の発電と送電を分離することにも積極的な発言をしていたはず。

18日付けの朝日新聞「政治考」で、編集委員の星浩氏がこう書いています。
「(菅首相の)一連の動きが、電力会社や財界、自民党の神経を逆なでした。原子力の既得権益グループの「虎の尾』を踏んだのかもしれない」と。
菅降ろしの背景には、こういうことがあるんだなあ、きっと。

各電力会社に対し、経産省の「原子力安全・保安院」が追加の安全対策を指示したのが6/7。
そのわずか11日後の6/18、海江田経産相は「現地の立ち入り検査などにより厳正に評価した結果、措置は適切に実施されていることを確認した」との大臣談話を発表。
「措置は適切に実施されている」と述べたが、どのように実施されているのか、その実態がわからない。が、さまざまな報道を見ると、つまりは、「各電力会社が何年がかりかの改善計画をたてた」というだけのことで、津波や巨大地震に耐えるような安全対策は、ほとんど実行されていない。
計画をたてただけなのに、それが「安全措置が適切に実施されている」ということになってしまった。

政府が、現在、定期検査で停止中の原発の再稼動を急ぎたい理由は、13カ月ごとの定期検査のために原発を次々に停止させていくと、来年春までに、国内の原発のすべてが停止してしまうから。

しかし、今、そういう解説をしているのはマスコミであって、海江田さんはそういう理由を述べてはいない。

「安全対策の実施は道半ばではあるが、背に腹はかえられない。火力発電等の再開と節電だけではどうにも足りない電力量はこれだけになる。ついては、原発何基を再稼動させないと、とてもまかなえない。国内で安全上、マシな原発は○○原発と○○原発であるから、これに限って再稼動させたい。」というような具体的な説明がなにもない。

なぜ、こういう当たり前の説明ができないのか?

原発問題に限らず、何の問題であっても、当然説明されるべきことが説明されず、当然挙げられるべき数字が示されない理由は?
数字を挙げれば嘘がばれるから。
それが世の常、嘘つきの常套手段だ。

いったい、「電力は本当に不足しているのか?」
素朴な疑問が湧いてきます。

現在、日本国内の原発総数は54基。そのうち、現在稼動している原発は17基、プラス定期点検中だが調整運転中が2基。
東京電力管内では、福島も含め17基あるが、そのうち現在動いているのは柏崎刈羽の4基で、13基が停止している。
そこで思い出すのが、あの「計画停電」です。
人口密度の低い地域に限っての実施であり、さらに、停電時間が割り振られた地域でも、蓋を開けてみれば電気の消えないところだらけ。大幅な間引き実施だった。
それでも、停電時間が割り振られている以上、電気が消えるか消えないかは消えてみないとわからない。
営業中に突然電気がストップするのでは大変なことになるから、工場は稼動を止め、スーパーは閉めるしかなかった。そのために起きた大混乱と巨大な経済損失。にもかかわらず蓋をあければ、輪番地域の多くで電気は消えない。

計画停電が、「原発が止まると大変なことになるぞ」という脅しでしかなかったことは、誰もが見抜いてしまった。
私は毎日、東京電力の電力使用量グラフをながめていたが、計画停電とは関係なく、「自主節電」だけで20%~30%が節電されていた。

いったい電力は、節電では追いつかないほど、本当に不足しているのか?

もっとも原発依存度の高い関西電力ではどうだろう。
関西電力は、福井県内に11基の原発を有しており、発電量の54%を原発に頼っているという。
現在、定期検査で4基が停止しており、6基が稼動、プラス、定期検査中だが調整運転中が1基。
これが夏には、全部で6基停止するというから、これから2基が定期検査に入るということだ。
朝日新聞(6/18朝刊)によれば、この夏の電力使用のピーク時に不足する供給量は、関西電力自身の予測で「6.4%」だという。

え?たったの6.4%ですか?
これって、この夏に限っては、節電すれば何とかなる数字じゃないの?
安全とは口ばかり。計画はたてたが、実質的な安全対策が何も行われていない原発を、今、どうしても動かさなければ立ち行かないとはとても思えないのです。

たしかに、来年の夏は、このままだとすべての原発が停止した状態で迎えなければならなくなる。
安全対策の実施を来年の夏前までに終わらせなければハナシにならない。
原発を再稼動させたいというハナシをするのならば、安全対策の実施期限を区切ることが、最低限の条件であるはずです。



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rtfk

全員とまではいいませんが政治家の方々は
国民感情とは大きく乖離した言動をされているということには
本当にお気づきではないのでしょうか
実は知っているけど・・・ならまだ先が考えられますが。。。
by rtfk (2011-06-21 11:28) 

お水番

rtfkさん、本当に、センサーが壊れちゃってますよね。
by お水番 (2011-06-21 19:33) 

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