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▼国分寺崖線裾野の湧水を集めて流れる野川の最源流「真姿の池湧水群」の観測日誌 ▼ガイド・観察日誌・トピックス・インフォ→構成は「サイトマップ」「真姿の泉TODAY index」参照

2011年8月10日(水)~源氏物語の時代背景のことなど [[観察日誌-4]本日の真姿の泉11年1月~12月]

連日の熱帯夜。
アメダス府中の最高気温は35.7度。昨日の36.1度に続いて、連続の猛暑日でした。
一日の平均気温も、この夏はじめて30度を超え、30.5度でした。
お盆の間もずっと猛暑が続くとの予報です。

東北地方が連日35度を超える猛暑で、東北電力の電力供給が逼迫。
東京電力から電気の融通を行って、ようやくしのいでいるとのニュース。

我が家でも相変わらず、ハードな節電生活を続けています。
その分、ほんのちょっとでも、東北地方にまわしたい。
冷房は7月前半の猛暑の時、一日だけ、ほんの数時間つけただけで、8月のこの猛暑は扇風機などでしのいでいます。
それでも生活って、できちゃうものだと実感しています。

さて、この夏課題の「源氏物語」。
「源氏物語の世界」と称して笛のオリジナル曲を吹くにあたって、「源氏物語」それ自体については、訳本や解説本で一応の勉強をした上で、この曲で行こうと連日練習に励んでいたところ、演出家の先生からの演出指示が突然かわってしまいました。オロオロ・・。

新しい曲を作ろうにも、私の中にイメージが無い以上、演出家が何を要求しようとも、曲は生まれてきません。
かといって、予定の曲を吹く意欲もちょっとそがれてしまって、宙ぶらりんなままこの2~3日を過ごしています。
いっそのこと、何も決めずに行き当たりばったり、全部即興で吹いてみようか、などと思ったりもしています。
笛はね、思いつくままに何かひゃら~~と吹いていれば曲になるのよ。

しかしまあ、まだ結論を出すこともないので、今はあらためて、源氏物語の「時代背景」の勉強を始めました。
それにしても、なんでこんなタイミングで、「京都」の歴史のお勉強をするハメになったのやら。皮肉な運命ですなあ。

飛鳥時代、奈良時代から延々と続く、藤原氏とそれ以外の貴族の、血で血を洗う果てしない勢力争いの歴史。
平安遷都と時を同じくして激化した、東北地方への侵略と殺戮の歴史。

勝者があれば必ず敗者がいて、怨念うずまく都の世界。
五山の送り火は、そんな時代に始まったとも言われているようです。

さらに、平安時代は天変地異が続き、富士山もたびたび爆発。当然、飢饉も誘発され、疫病も絶えることのなかった時代。
それを都人は、恨みを残して死んだ怨霊の仕業と考え、その「怨霊」を鎮めて「御霊」へと浄化させる祀りがすなわち政(マツリゴト)。
そういった時代背景を抜きにして、単に宮中サロン文学として源氏物語を読み解くことはできないのだなあと実感しています。
そして「物語」とは、今で言う「小説」の意味ではなく、まさにモノ=霊についてのお話だから物語。

この時代の「源氏」とは、天皇家の血筋を引きながら、藤原氏との抗争に敗れ去った一族。
その「源氏」が、物語の中ではヒーローとして描かれ、どうみても藤原氏としか思えない右大臣よりも、あらゆる点で勝っている勝者として描かれています。
そんな物語が、あの藤原道長の庇護のもと、紫式部という才女によって創作されたというのだから、不思議なはなしです。
つまりは、源氏方の恨みを鎮める「鎮魂の書」として描かれたのだろうというのが、作家・井沢元彦さんの説。

この説、学会の定説ではないですが、私にはしっくりと腑に落ちます。
そして、私が源氏物語で吹きたいと思っていたオリジナルも、源氏物語でこの世に心を残しながら、ことごとく死んじゃう女性たちの魂がたち現れ、静かに、激しく舞い踊ることでやがて浄化していくというイメージの曲。

こんな場面は「源氏物語」には出てこないけど、「源氏物語の世界」としては、まさにピッタリなんじゃないの???とやっぱり思うのですがねえ・・・。

というわけで、目下、読むべき本が山積み状態。
喫茶店のハシゴをしながら、がんばるワ。

観測は休みました。

■気象
・天気:晴れ
・降雨量:0mm
過去の気象データ検索(気象庁 府中): http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php?prec_no=44&prec_ch=%93%8C%8B%9E%93s&block_no=1133&block_ch=%95%7B%92%86&year=&month=&day=&view=


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haku

女性たちの魂の乱舞...
そんなイメージの曲、とっても興味を惹かれますねぇ♪♪
by haku (2011-08-11 12:39) 

お水番

でしょ~、hakuさん!ありがとうございます。
by お水番 (2011-08-11 13:08) 

rtfk

この世に未練のある女性たちの魂が・・・・ちょいと怖い気もしますが(^w^)
by rtfk (2011-08-11 16:11) 

urara☆

ちょっと話は飛ぶかもですが‥‥
私は銀行に置いてある、月刊誌小説「オール読物」を、読んで時間待ちしてますが、
その中で、隔月ごとに載る、夢枕獏の「陰陽師シリーズ」を愛読中です(^^♪
その世界が、まさに、そんな京貴族と怨霊等の話で、主人公の安倍清明とともに、
貴族の楽人で、癒しの笛の名手とされる源博雅が出てきます。
マンガも出てまして、奈良の友人が揃えていたので、これも随分以前ですが、見たのですが、
面白いものでしたし、これ等なんか、参考にならないかしら~♪
by urara☆ (2011-08-11 17:24) 

お水番

rtfkさん、は~い、怖いですねえ。
盆踊り、笠で顔を隠して踊る盆踊りが日本各地にたくさんありますよね。笠で顔を隠すと、誰であるかが定かではなくなる。だから、帰って来た霊が輪踊りの中に一緒に混じって踊れるんですよ。
篝火などのほのかな明かりの中で笠で顔を隠しながら踊ると、踊り姿や体型や立ち振る舞いが、亡くなったおばあさんにそっくりだったりする。それで、ああ、おばあさんが帰ってきているとみんな思う。
盆踊りの装束には、そんな意味があるそうです。
ともに踊ることで、慰められ清らかに鎮まる。舞にはそういう意味があるようです。
by お水番 (2011-08-11 22:07) 

お水番

urara☆さん、良いヒントをいただきました!安倍清明と紫式部は、年齢では40~50歳くらい安倍清明のほうが年長のようですが、安倍清明はとても長生きしたようなので、紫式部と時代は重なっているんですよね!
癒しの笛の名手とされる源博雅のことも、調べてみたいと思います。
ありがとうございました。
by お水番 (2011-08-11 22:31) 

kawasemi

nice&コメントありがとうございました。
とんぼ玉つくり、終わってしまいました。
来年、再び受講したいと思っております。

by kawasemi (2011-08-12 09:19) 

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