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▼国分寺崖線裾野の湧水を集めて流れる野川の最源流「真姿の池湧水群」の観測日誌 ▼ガイド・観察日誌・トピックス・インフォ→構成は「サイトマップ」「真姿の泉TODAY index」参照

3.中間まとめ~歌川国芳「東都三ツ股の図」に描かれたスカイツリーみたいな謎の尖塔を追う [[特集]水都・江戸の風景]

2月22日に東京新聞に掲載された記事や、その日のテレビ放送をきっかけに、歌川国芳「東都三ツ股の図」に描かれた東京スカイツリーみたいな謎の尖塔に興味を持ち、このブログでも「水都・江戸の風景」という特集を組んで、これまで2本の記事をアップしました。

1.江戸の景観~歌川国芳の浮世絵に「東京スカイツリー」?
2.井戸堀りのための櫓(やぐら)か?~歌川国芳の浮世絵に描かれた東京スカイツリーみたいな超高層櫓

[[特集]水都・江戸の風景]
http://masugata.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301556262-1
こちらから、全部の記事をお読みいただけます。

反響は大きく、このブログでかつてないほどたくさんのアクセスをいただきました。
「きたろう」さん、「一風斎ねこよし」さんからも、コメント欄に貴重な情報をいただきました。

2月の月末にはアクセスもやや下火となってきましたが、きょう3月2日、再びアクセスが激増しています。
昨夜(3/1)、深夜だったか、テレビでほんの短い間でしたがこの話題が取り上げられ、謎の尖塔について「井戸堀りの櫓」ではないかという専門家の話も出てきました。
私もこの番組をまったく偶然に見ましたが、きょうは再び、アクセスが増えています。

続きを書くために、ただ今、いろいろ調べておりますが、記事としてまとめるための時間がなかなかとれませんので、中間のまとめと、これからまとめる記事のテーマを書いておきます。

1.はじめは、国芳の空想の産物かとも思いましたが、江戸時代において「記録写真」のような意味合いも持つ風景浮世絵ではそれも考えにくく、実際に背の高いなんらかの建造物がたっていたとしたら、「井戸掘りの櫓」以外には考えられません。
なぜ、井戸掘りの櫓なのか、江戸の町の水事情も含めて、井戸掘り櫓説の裏づけを調べてまとめたいと思います。

2.この謎の尖塔はどこに建っていたのか、ということについて考察したいと思います。
国芳「東都三ツ股の図」の視点場直近から見えるスカイツリーは、絵とほぼ同じ方向に、同じようなシルエットで見えることが確認されています。
地図で方向を詳しく見ると、まったくドンピシャリというほどではありませんが、だいたい同じ方向です。しかし、スカイツリーがあるあたりに「謎の尖塔」が建っていたとすると、謎の尖塔がスカイツリーと同じに見えるためには、高さはまさに600m以上なければならず、これはありえませんね。
隅田川東岸に近い場所に建っていたものだということを前提に、場所の特定に挑戦してみたいと思います。
その手がかりになるものが、尖塔の左隣にたっている火の見櫓と、さらにその左側の橋です。
東京新聞の記事では、この左側の橋を小名木川にかかる「万年橋」と思われる、としています。
しかし、当時の万年橋は北斎や広重の浮世絵にも描かれており、国芳「東都三ツ股の図」に描かれている左側の橋とは、どうも形が違うのです。
そうなるとこの橋は、万年橋のひとつ南の橋、仙台堀川にかかる「上ノ橋」である可能性も考えられます。
さらに、その南側の「中ノ橋」や「下ノ橋」である可能性も皆無ではありません。
「下ノ橋」がかかっていた油堀川も、水運の川だったそうです。
「万年橋」は今もありますが、「上ノ橋」「中ノ橋」「下ノ橋」は今はもうなくなってしまった橋です。
「上ノ橋」「中ノ橋」「下ノ橋」がかかっていた佐賀町界隈の江戸時代の町並みを調べていくと、何かわかるかもしれません。
市販されている江戸古地図には、詳しい町並みまでは描かれていませんが、深川にある「深川江戸資料館」あたりに行ってみると、何か手がかりが見つかるかもしれません。

※赤字の箇所、訂正しました。(2011.3.3)

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オカジュン765

こんばんわ。まいど訪問おおきにです。非常に興味深い記事でしたね。
私の本ですが、対象は小学生なので、もし身内におられましたら宣伝お願いします(笑)
by オカジュン765 (2011-03-02 20:33) 

お水番

オカジュンさん、ようこそ。
記事、お読みいただきありがとうございます。
オカジュンさんのご本、まわりに小学生はいないのですが、私が読みたいので、購入方法、教えてくださいませ。
楽しみにしています。
by お水番 (2011-03-02 23:54) 

rtfk

この謎解き(?)が楽しみでたまりません!
by rtfk (2011-03-03 10:11) 

お水番

rtfk さん、ありがとうございます。
これからまだ調べてみようと思っていることがたくさんあるのですが、とにかくがんばってみます。
by お水番 (2011-03-03 17:26) 

一風斎ねこよし

こんばんわ。例の橋の件ですが、私のサイトに雰囲気のよく似た橋の写真があったことをうっかりしておりました。
http://poirot2.web.infoseek.co.jp/jin1.html
このページの中ごろのある写真で、火の見櫓も写っています。
当時の火の見櫓の大体の大きさが分かると思います。
ちなみにこの写真、さる大藩の殿様が撮影したもので、殿様は本所深川界隈の写真も、多く撮影されたようですから、それらが公開されると、さらに江戸の町並みの詳しい様子がわかるかもしれません。
by 一風斎ねこよし (2011-03-04 21:00) 

お水番

一風斎ねこよしさん、いやあ、びっくりです。
「隅田川沿いの櫓 撮影データ不明」という写真ですね。
国芳の絵の橋にそっくり。橋と火の見櫓の位置関係もそっくり。家並みの感じもそっくり。
橋のかかっている川は、隅田川に流れ込む運河でしょうね。これが、国芳の絵の左の橋と火の見櫓だとしてもまったく不思議はないほどよく似ていますね。

さる大藩の殿様というと、松平ですか?
上ノ橋のかかる仙台堀と、万年橋のかかる小名木川にはさまれたエリアが松平のお屋敷だったのですよね。
上ノ橋を真正面にとらえる対岸にも松平のお屋敷があったみたいですね。

本当に貴重な情報、ありがとうございます。

by お水番 (2011-03-04 23:12) 

一風斎ねこよし

こんにちわ。幕末の古写真で「永代橋」を撮影したものが一枚だけ存在するので、何かの参考になればとご紹介します。以下のサイトで見ることができます。
(拡大表示ができます)
http://oldphoto.lb.nagasaki-u.ac.jp/bauduins/jp/record.php?id=143&req=21

写真は下流側から上流を撮ったもので、微かに新大橋が見えています。写真の右側が深川佐賀町になります。橋がとても大きかったことがよく分かります。
by 一風斎ねこよし (2011-03-06 11:36) 

お水番

一風斎ねこよし さん、永代橋の写真、お教えくださり、ありがとうございます。
長崎大学図書館の電子化コレクション、すごいですね!
このようなサイトがあったとはビックリです。
拡大しても鮮明に見えますね。

1865年というと明治維新直前。国芳の画は1830年代といいますから、まさに同じ時代ですね。
永代橋、大きいですね。古地図で見ると、川幅は200mくらいでしょうか。当時の橋の構造がリアルに見えて感動します。
新大橋が向こうに小さく写っているのも確認できました。万年橋は新大橋のすぐ南ですから、国芳の画の中の隅田川東岸が、別の角度から、ほとんど全部はいっているというわけですね。

永代橋の東詰めから新大橋の東詰めまでは地図でみると1100mくらい。
永代橋の東詰めから万年橋までの距離は900mくらい。
この写真で、その距離感が実感できます。
国芳の画の左の橋は、町並みの様子から言っても、また距離からいっても、やはり万年橋よりは、上の橋、または下の橋の可能性が高いように思います。

永代橋を写真で確認すると、国芳の画の永代橋はきわめて写実性が高いように感じました。
そうなると、隅田川の向こう岸の町並みもかなり写実的なのではないかと推察できます。
そうすると、国芳の画の左端の橋は、下ノ橋と見るべきなのかもしれませんね。

貴重な情報をありがとうございました。

by お水番 (2011-03-07 13:15) 

宮川

野川は私が住んでいたすぐそばを流れる川で子供のころ、エビガニ・どじょうなどをとって遊んだところです。昭和20年から30年にかけては、本当に小さな小川でその領域には田んぼがありましたので、水を供給する大事な役目をしていました。早々、思い出しましたが、天然のうなぎをとったこともありました。
先日、世田谷区喜多見から川辺を歩いて、深大寺まで行きました。環境が様変わりしてました。50年以上もたつのですから、当たり前のことと思いますが。
by 宮川 (2011-03-09 09:50) 

お水番

宮川さん、コメントありがとうございます。
50年前の野川をご存知の方からコメントがいただけて感激です。
私はここ10年くらいの野川しか知らないので、また是非、お話聞かせてください。
天然のうなぎ、すごい!!
これ、そのあと、召し上がったのですか?
by お水番 (2011-03-09 12:00) 

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