SSブログ

▼国分寺崖線裾野の湧水を集めて流れる野川の最源流「真姿の池湧水群」の観測日誌 ▼ガイド・観察日誌・トピックス・インフォ→構成は「サイトマップ」「真姿の泉TODAY index」参照

震災対策用井戸について~国分寺市と世田谷区 [[特集]湧水・地下水保全条例制定への課題]

東西元町防災会が半年に一度開催している「湧水端(みずばた)会議」は、真姿の池湧水の簡易水質検査に続いて、ハケ上の都立・武蔵国分寺公園内の武蔵国分寺井戸(市が設置した防災井戸「むかしの井戸」)の水質の検査もしています。
井戸の内部部品をステンレスにとりかえたとかで、10/9の検査では、これまで数値が悪かった鉄と亜鉛は劇的に改善されましたが、CODの値の悪さはあいかわらず。
50リットル汲み出し時は8ppm以上、100リットル汲み出し時は6ppmでした。これまでと同様、汲み出してもCODの数値はほとんど変わりません。汲み出し後のほうがかえって数値が大きくなることもあります。

水の濁り方も、以前とかわらず。30リットル汲み出し時には、まったくの泥水状態となり、100リットル汲み出し時にも、雑巾をゆすいだ水のような色がとれません。
こんな汚れ具合では、災害時、この水で顔を洗ったりすることはとてもできないし、衣類の洗濯にも使う気にはなれません。
災害時であっても、掃除に使うかトイレに流すことくらいにしか使えないと思います。

おそらく、井戸の内部の汚れが原因と思います。この井戸は、武蔵国分寺公園造園時にあらたに掘ったのではなく、逓信住宅時代からあった井戸をそのまま使ったようです。非常に古く、その上、長らく放置されていた井戸でしょう。
500リットルほど汲み出した時にどうなるか、一度見てみたいものですが、ハケ上の井戸は深さが16メ-トル以上あるために手漕ぎのレバ-が非常に重いので、10リットル汲み出すのにも50~60回漕いで1分かかります。
500リットルといったら、50分間休まず漕ぎ続けなければなりませんので、よほど覚悟して、集団でとりかからなければ無理です。水質のことは、市の主管課に何度も言っていますが、改善には関心がないようです。

たった19ヶ所しかない市の防災井戸は、このように水質の悪いものがある上に、絶えず2~3箇所が故障しており、その修理には「予算がない」との理由で数ヶ月を要します。
こんな状況で、震災等による断水時の生活用水をまかなえるはずがありません。民間所有の井戸を、災害対策用井戸として登録することは不可欠です。

一方、非常にたくさんの民間井戸が災害対策用井戸として登録されているのは世田谷区だそうです。
世田谷区では、小中学校、小緑地、地区会館、環境共生住宅など公共施設に用意している井戸がある他、区民が所有する井戸を震災時指定井戸として登録しており、2009年4月の段階で、この登録井戸は1,544ヶ所もあるのだそう。
これらの震災時指定井戸は「世田谷区震災対策用井戸のポンプの設置及び修理に要する経費補助金交付要綱」にのっとって、既存の井戸を条件に、手押しポンプの設置や井戸の修理にかかった費用の2分の1(上限は10万円)が補助されるようです。

世田谷区ホ-ムペ-ジ 震災対策用井戸
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/030/d00005600.html

世田谷区震災対策用井戸の指定に関する要綱
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/030/pdf/5600_1.pdf

世田谷区震災対策用井戸のポンプの設置及び修理に要する経費補助金交付要綱
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/030/pdf/6076_1.pdf

この井戸の所有者は「災害時井戸水提供の家」というプレートを自宅に表示することになっており、井戸の場所は、世田谷区のホームページの地図上で確認することができるようになっています。

災害対策・安全安心のトップページ
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/menu/subtop10.html

避難所・防災設備設置場所検索
http://www.sonicweb-asp.jp/setagaya/map?theme=th_26

(旧版)世田谷区 危機・災害対策情報
避難所・その他防災設備設置場所検索:震災対策用井戸の地図検索
http://i-gis.city.setagaya.tokyo.jp/homepage/front/style.asp?LinkFile=../MQIS/html/addr/m_address.asp

国分寺市の人口11万5千人に対して、世田谷区の人口は外国人登録人口も含めて約85万人。国分寺市の約8倍の人口です。
世田谷区の登録井戸1,544ヶ所の八分の一の約200ヶ所を目標に、国分寺市でも民間井戸の登録を目指すべきだと思います。

これがそんなに難しいこととは思えません。
国分寺市がなぜこれをしないのか、災害時の生活用水は「むかしの井戸」だけで十分にまかなえると主管課(くらしの安全課)が言い張るのか、まったく不思議でなりません。

世田谷区以外にも、民間井戸を災害対策用井戸として登録している自治体はたくさんあります。
井戸の数や補助金制度について調べていきたいと思います。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。