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▼国分寺崖線裾野の湧水を集めて流れる野川の最源流「真姿の池湧水群」の観測日誌 ▼ガイド・観察日誌・トピックス・インフォ→構成は「サイトマップ」「真姿の泉TODAY index」参照

今井堯(たかし)さんのこと [ジャンルなし・お悔やみなど]

考古学者であり、文化財保全のために常に先頭に立って身をつくされた今井堯(たかし)さん。
5年前、この方に出会わなければ、私が湧水観測にかかわることはありませんでした。

天平時代の大寺院・武蔵国分寺の自然と歴史について、そして国分寺崖線の湧水と文化財について、長く国分寺に住んでいながら何も知らなかった私の稚拙な質問に、直筆のお手紙で丁寧に答えてくださった今井さん。
それが最初の出会いでした。

4月21日、今井堯さんが亡くなりました。
真姿のいずみ観察会の母体である、国分寺・名水と歴史的景観を守る会の会長を長らくつとめられました。
文化財保全に功績があった人に贈られる「和島誠一賞」という大きな大きな賞が、第10回目の今年、今井さんに贈られることが決まって、会員一同喜び合った矢先のご逝去でした。
6月の授賞式には間にあいませんでしたが、病床の今井さんは、受賞を大変お喜びになったとうかがい、少し救われた気がしています。

5月2日、今井堯さんのお別れの会が開かれました。
花に囲まれた今井さんの写真。
くったくのない笑顔、そして文化財保全のために先頭に立ちメガホンを握る姿。どの写真を見ても、いつもいつも目にしていた今井さんの姿でした。
その今井さんが、もうこの世にはいらっしゃらないとは、私にはどうしても信じられません。
「いやあ、すまん、すまん」と、あの大きな野太いお声を響かせて、お別れの会の会場のドアを開けて入っていらっしゃいそうな気がしていました。

今井さんはとうとうドアを開けて入っておいでにはなりませんでしたが、お墓でじっと眠るような人ではありません。
ご専門だった天皇陵は、未だに非公開、宮内庁は一切の学術調査を許さないままですが、病から解放された今井さんは、あの世もこの世も縦横無尽に行き来して、きっと今、天皇陵の上を悠々と歩いておいででしょう。

人が大好きで、賑やかなことが大好きでいらした今井さん。
だから今井さんはいつでもそこに居る。そして、私たちを見守ってくれている。そう思っています。

今朝の朝日新聞多摩版に、今井さんの受賞とお別れの会の記事がのりました。
20090504今井さん受賞とお別れの会(朝日新聞090504)縦に編集.GIF

記事の中で紹介されている「国分寺・名水と歴史的景観を守る会」では、今秋、今井堯さんの足跡をたずねる会を開き、今井さんの業績を顕彰します。

詳細が決まったら、下記のブログに掲載します。
国分寺・名水と歴史的景観を守る会のブログ:http://meisui-keikan.blogspot.com/

※和島誠一賞:文化財保存全国協議会(文全協)主催
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